不動産会社でオンライン接客を導入するメリットや事例を解説

 賃貸仲介業 2022.08.12

コロナ禍によって私たちの働き方にも変化が出てきましたが、不動産業界も例外ではありません。

これまでは対面での接客が中心でしたが、お客様に来店していただくことが難しい状況になった今、オンライン接客を取り入れようと考えている会社も多いと思います。

そこで今回は、オンライン接客の種類や導入するメリット、どのように活用するのか、事例についてもご紹介します。

コロナに限らず、今後も対面しながらの営業ができない状況が発生するかもしれません。今オンライン接客を導入しておくことで顧客の多様なニーズにも応えられるようになると同時に、将来の備えにもなるはずです。

不動産のオンライン接客とは?

オンライン接客とは、これまで対面で行っていた接客をオンラインを用いて行うことです。Zoomなどのオンラインツールを利用して会議を行う職場も増えてきたと思いますが、それらのツールを接客にも活かしていこうということです。

物理的な距離を考えなくても良くなることと様々なツールが使えるようになることから、顧客に合わせた接客ができるようになります。

自宅から物件を内覧できるオンライン内見

賃貸物件を決めるときに欠かせない内見も、オンラインでできれば、家から出なくてもよくなりますし、遠方の物件を見ることもできます。これまでも写真で室内や外観を紹介していたと思いますが、写真だけではやはり情報が不足しています。

  • ここも見たい
  • ここはどうなってるの?

というお客様のニーズに応えられるのがオンライン内見です。

スマホやパソコンからリアルタイムで物件の様子を見ることができますし、たとえば駅から物件までの道のりを案内しながら歩く、ということも可能です。

現地に行かずに説明可能なオンライン重説

賃貸契約の前に必ず行われる重要事項説明ですが、対面で行う必要があったため、これまではお客様に店舗まで足を運んでもらうことが多かったと思います。しかし、法律の規制が緩和され、オンラインでも重要事項説明を行うことができるようになりました。

スケジュール調整も柔軟にできますから、契約までの流れがスムーズになるはずです。

▼IT重説についてはこちらも参考にしてください!

不動産でオンライン接客を導入するメリット

オンライン、パソコン、スマホなどの言葉に「難しそう」と感じてしまう人もいると思います。しかしこれからは、不動産業界も積極的にITツールを駆使していかなくてはなりません。

オンライン接客にはこれだけのメリットがありますから、導入しない手はないでしょう。

全国が営業エリアになる

オンラインで接客ができるようになれば、お客様がどこに住んでいようと物件の案内ができます。店舗に足を運んでもらう必要がないのですから、沖縄の不動産会社が北海道のお客様に内見をしてもらうことも可能なのです。

直接聞きたいことがあるときは、ビデオ通話を利用すれば来店することなく顔を見ながら話すことができます。つまり、会社の周辺だけでなく、賃貸物件を探している日本中の人がお客様になるということです。

お客様の利便性向上につながる

物件の相談をしたい、内見をしたいというとき、店舗までの往復を考えるとどうしてもある程度の時間を確保しなくてはなりません。仕事が休みの週末などしか時間を確保できなかったと思います。

しかしオンラインでやりとりができるなら、たとえば会社の昼休みに内見をさせてもらうということも可能になるでしょう。相談くらいなら仕事終わりでもできるかもしれません。忙しい人にもアプローチできますし、時間を有効活用できるので、お客様にとっても大きなメリットです。

物件までの往復など無駄な時間が減る

内見をするときには車でお客様を案内することが多いと思いますが、1日何件も案内するとなると手間も時間もかかります。しかしオンライン内見なら担当者が物件を回ればいいので、その分時間が節約できます。

場合によっては、同時に複数のお客様に案内をすることも可能になるでしょう。効率的に内見ができるようになるのです。

テレワークが可能になる

オンラインツールを使えば、様々な職種でテレワークが可能になります。営業職の人は、外回りの後必要があればオンラインで報告すればいいですし、事務職の人も基本的には自宅で仕事が可能になるでしょう。

感染症対策にもなる

対面しなくても話ができることから、お客様、スタッフ、それぞれにとって感染症対策になります。今でも人と接することに不安を感じている人は多いので、「感染症対策のためにオンラインで相談できます」とアピールするのは会社にとっても大きなメリットになるはずです。

今のうちにオンライン環境を整えておくことで、今後、もっと過酷な状況になったとしても、大抵のことには対応できるでしょう。

不動産のオンライン接客の導入事例

実際にどうやってオンラインで接客をすれば良いのか、具体的な事例を見てみましょう。

物件の相談

物件の相談はメールや電話ではなく、オンライン会議ツールを利用します。気になる物件があり、その詳細について話を聞きたいと思ったときに、オンラインツールを使えば店舗に出向かなくても直接顔を見ながら説明ができますので、物件の魅力をより伝えやすくなるでしょう。

写真や動画を共有しながら物件の説明をすれば、相談といいつつ実際には内見と同様のこともできてしまいますから、契約までの時間が短縮できます。

相手の顔を見て話すと電話やメールよりも温度感が伝わるので、お客様の反応を的確に捉えられますし、スタッフの人となりもわかりやすく、お客様との距離が縮まるというメリットもあります。

360°、顧客目線で内覧

360°パノラマ撮影できるカメラで部屋の隅々まで見えるようにしたり、最近ではVRを利用した内見も増えています。VRとは「Virtual Reality(バーチャルリアリティ・仮想現実)」の略で、お客様に専用のゴーグルをつけていただくことで、別の空間にいるような体験をしてもらえるツールです。

360°撮影できるカメラを使った画像をVRで見てもらうことにより、お客様は自宅にいながら実際のその物件の中に入って内見をしているような体験をしてもらえます。

これまであった物件案内の動画とは違い、お客様自身の見たいところを好きなように見てもらえる方法です。

▼VR内見についてはこちらの記事も参考にしてください!

書類の郵送以外はすべてオンラインで行う

最終的にサインをしてもらう必要のある契約書は郵送しなくてはなりませんが、

  • 物件の相談
  • 内見
  • 重要事項説明

まで、すべてオンラインで可能になります。

オンラインツールが出始めた頃は、お客様に専用アプリをインストールしてもらうなどの作業が必要なものもあり、その手間を考えるとなかなかオンライン接客導入にいたらなかった会社もあると思います。

最近では、不動産会社側で画像をアップロードするだけでお客様に360°内見してもらえるクラウドサービスや、メール・LINEでURLを送るだけでそこから簡単にオンラインツールが使えるサービスなど使い勝手もかなり向上してきました。

担当者がITツールに不慣れでも簡単に導入することができるようになっています。

オンライン接客で注意すること

便利なオンライン接客ですが、いくつか注意して欲しいこともあります。

説明はコンパクトに、わかりやすく、短時間で済ませる

オンラインの画面で、画像と音声に集中していると、想像以上に疲れるものです。ダラダラと話していると相手の集中力が途切れ、伝わるものも伝わらなくなってしまいます。

何を話すべきか事前に要点をしっかりまとめ、後で資料を送ればわかるようなことは話さないようにして短時間で終わらせる工夫をしましょう。

きちんと伝わっているか適宜確認する

オンラインは、顔は見えていても実際目の前に人がいるわけではないので、微妙な空気感が伝わりにくいものです。こちらが淡々と説明を続けてしまうと、「本当はもっと聞きたいことがあったのに…」と不満を持たれてしまうこともあります。

説明の合間に、「ここまででわかりにくいところはございましたか?」など適宜質問を挟み、双方向のやりとりになるような気配りが必要です。

つい忘れがちな点ですが、画面の向こうには生身の人がいます。対面しているようなつもりで、心のこもった接客を心がけてください。

オンラインもアフターフォローが大事!

来店することなく、いくつもの不動産会社と話ができるのがオンラインの良いところですが、その分顧客にとっては印象が薄くなってしまうのがデメリットでもあります。オンラインだからこそ、その後のフォローが重要になってきます。

メールやLINEを駆使して、お客様との信頼関係構築に努めましょう。

まとめ:不動産会社でオンライン接客は必須!ビジネスチャンスを広げていこう

オンライン接客とは、オンラインツールを駆使して物件の相談に乗ったり、内見をしたりすることです。

これまでは対面でしかできなかったこともオンラインツールを導入すれば、どこに住んでいる人も顧客になり得ます。

お客様にとってもメリットの大きい方法です。直接店舗に行かずに物件を見ることができるので、忙しい人でも物件探しが楽になるでしょう。

ただし、疲れやすい、空気感がわかりづらいなどリアル接客よりも気を遣わなければならない点もありますので、画面の向こうには生身の人がいるということを忘れずに心のこもった接客を心がけてください。