VR内見とは?導入のメリット・デメリット、実際の活用事例

 集客 2022.05.09

VR(ヴァーチャルリアリティ)も以前と比べるとずいぶん身近な存在になってきました。現在、不動産の内見でも取り入れる会社が増えてきています。VR技術を内見に取り入れることにより、実際にその場に行かなくても部屋の中を見ることができるようになるのです。

VR内見を取り入れることによるメリットは大きいです。もちろんデメリットもあるものの、営業活動の効率化や他社との差別化が図れます。全国どこにいても内見ができるのですから、不動産会社、顧客、双方に大きなメリットをもたらします。

では実際どのようなメリットがあるのか、不動産会社、顧客双方の視点から見てみるとともに、活用事例などもご紹介します。成約率を上げたいと思っている方は、ぜひVR内見の導入を検討してみてください。

VRとは「Virtual Reality(バーチャルリアリティ)のこと

簡単にVRについて説明します。「Virtual Reality(バーチャルリアリティ)」のことで、「仮想現実」という意味です。VR機器を使って、仮想空間に入り込み、実際にその場に行ったかのような臨場感を楽しめるものです。

ゴーグルを装着することで360°の映像を体感できるので、VR旅行なども人気を博しています。

VR内見とはVRを使って物件を案内すること

VR内見とは、VRの技術を使い、お部屋の中を案内することです。VR内見は2016年に登場しました。さまざまなVRシステムが開発されており、不動産業界では内見で活用されるようになったのです。

360°撮影できるカメラで部屋の中を撮影します。それをVRシステムに取り込むことで現地に行かなくてもお客様に部屋の中を案内できるようになりました。

VR内見でできること

内見は物件を選ぶ上で必須ですが、1日に何件も回るのは難しいです。VR内見ができれば、いくつもの物件に足を運ぶことなく内見ができます。

写真ですと撮り方によって広く見えたり狭く見えたり、実際の物件とは違う点も出てきてしまいますが、VR内見なら360°撮影をしていますので、その心配がありません。ほぼ現実の物件に近い状態のものを見てもらえるのです。

オンライン内見との違い

似たようなものにオンライン内見があります。Zoomなどのオンライン会議ツールを使って内見をしてもらう方法です。実際に物件の中を撮影した画像や動画を見ていただくことができるので、お客様が現地に足を運ばなくても良いという点ではVR内見と似ています。

しかしオンライン内見では用意した画像、動画しか見せられないので、その場で「もう少し、この辺りが見たい」とお客様に言われた時に対応が難しいです。その点、VR内見は360°撮影してあるので、部屋の隅々まで見ることができます。

また、オンライン内見ですと、通信状態が悪い時に動画が見づらくなるなどのトラブルも予想されます。VR内見は通信環境の影響を受けないので、ストレスなく内見をしていただけるでしょう。

VR内見のメリット:顧客側の視点

ではまず、お客様から見たVR内見のメリットについて説明します。

全国どこからでも内見ができる

実際の物件を見にいくのは時間もかかり、大変です。1日に回れる件数も限られているので、「本当はここも見たかったのに」ということになりかねません。

VR内見は、日本はもちろん、海外からでも内見が可能です。どこにいても内見ができますので、現地に行く時間も交通費も節約できます。

中に入れない物件でも内見できる

まだ前の借主が住んでいたり、リフォーム中だったりすると、内見ができない物件もあります。その点VR内見なら、あらかじめ撮影した画像を使って内見ができますので、物件の状態がどうであれ、好きな時に内見ができるのです。

見取り図を確認しながら見れる

VR内見ができることの一つとして、画像だけでなく見取り図などの資料も合わせて表示をすることが可能です。この部分は見取り図だとこうなっている、ということを確認しながら部屋の中を見ることができます。

実際に見たい物件をVRで絞り込める

最終的には、やはり実物を自分の目で見て決めることになると思いますが、いくつも候補があった場合に、まずVRで内見してから候補を絞るということが可能です。実際に行ってみて、無駄足だったと思うようなことを減らせるでしょう。

「こんなはずじゃなかった」を防げる

営業担当から魅力的な話を聞いて興味を持ったものの、実際に行ってみたら全然印象が違った、ということはよくあることです。VR内見で先に部屋の中を見ておけば、そのようなミスマッチを限りなく減らすことができます。

VR内見のメリット:不動産会社側の視点

VR内見は、不動産会社から見てもメリットが大きいものです。費用が多少かかっても、導入を検討すべきでしょう。

現地まで案内しなくて済み業務効率化につながる

一番のメリットは、効率的に内見をしてもらえることです。これまでの内見ですと、お客様を現地に連れて行かなくてはならず往復時間がかかりました。1日に数件回るとなると、実際に内見をしている時間よりも移動時間の方がかかってしまう場合もあります。

VR内見なら現地までの往復時間がゼロになりますから、その分案内できる件数も増えるということです。遠方にいるお客様にも物件案内ができるようになり、営業活動の幅も広がります。

早期契約に結び付けられる

通常は、まだ人が住んでいるお部屋の内見はできないため、引っ越しを待っているとその分契約する時期も後ろにずれてしまいます。

VR内見は入居者がいても内見が可能なので、早期に契約に至る可能性が高いです。特に繁忙期はVR内見が活躍してくれるはずです。

成約率アップが期待できる

たとえば、これまで1日に5件しか案内できなかったところ、VRによって10件案内できるようになったら、紹介できる件数が増えるのですから、その分成約率が上がる可能性があります。

また、1つの不動産会社でいくつものな意見ができるようになれば、わざわざ他社に行って別の物件を見せてもらおうと思わなくなるため、お客様を逃すリスクも低くなるでしょう。

VR内見が他者との差別化になる

VR内見を行う不動産会社が増えてきているとはいっても、まだ浸透しているわけではありません。「VR内見を導入していますよ」というだけでもお客様にとっては目新しく、それだけでも「行ってみようかな」と思うきっかけになるでしょう。

VR自体を体験したことのある人がまだまだ少ないですから、体験できるだけでも他社にはない魅力になります。

VR内見のデメリット:顧客側の視点

VR内見はどこからでも内見できる便利なシステムですが、多少のデメリットも存在します。

建物の外観や周辺環境はわからない

お部屋の中は360°見ることができますが、マンションの外観など周辺を見ることはできません。それは、実際に現地に行った時に確認するしかないでしょう。

VR酔いすることがある

VRは、たまに「VR酔い」の症状が出る人がいます。車酔いをしやすい人などは注意が必要です。酔いやすい人には内見の時間を短くするなどの対処法が必要です。

VR内見のデメリット:不動産会社側の視点

成約率アップにつながるVR内見ですが、コストの面なども考えなくてはいけません。

導入にコストがかかる

VR内見を行うには、VRゴーグルなど専用の機器が必要となるため、その導入費用がかかります。また、撮影をする機器の費用も必要です。

VR機器にはさまざまな価格帯のものがあります。最初は安いものを選びたくなりますが、価格があまり安いと性能が良くなく、たとえばゴーグルが重いと使う人が疲れてしまいます。価格と性能、バランスを見て選ぶことが大切です。

VRだけで全てを伝えるのは難しい

360°部屋の中を見ることができるVRですが、実際に目にするものとはやはり違いがあるため、完璧な再現は難しいという点がデメリットの一つです。解像度が低くなっている場所などははっきり見えないこともあり、そういう場合には適宜、口頭での説明や写真で補っていくことも必要です。

VR内見の活用例〜誰でも簡単に撮影できる機器もあり

実際にどのようなサービスがあるのか、参考までにいくつかご紹介します。

THETA 360.biz

リコーが提供する「THETA 360.biz」は、RICOH THETAという専用の機器を使って撮影し、誰でも簡単に作業ができるクラウドサービスです。特別な技術も必要なく、クラウド上で編集作業が可能です。 30日間のフリープランもありますので、一度試してみたいという方におすすめです。

Spacely(スペースリー)

スペースリーもVRコンテンツを作成できるクラウドサービスです。スマホと360°撮影カメラがあればすぐにでも始められます。撮影したパノラマ写真をアップロードすれば高品質なVRコンテンツが自動作成されます。

月額料金は4,980円〜42,000円と幅がありますが、まずは7日間の無料トライアルがあります。

ナーブ

ナーブは、撮影した360°画像のURLをお客様のパソコンやスマホに送ることができるサービスです。お客様はそのURLをクリックするだけでリアルなVR内見を体験できるのです。

まとめ:VR内見で他社と差別化、成約率アップも期待できる

VR内見とは、VR技術を使った内見のことです。360°撮影した画像で、実際に現地に行かなくても内見ができるので、時間も交通費も節約できます。不動産会社からしても、1日に案内できる物件の数が増えるますから、飛躍的に成約率がアップする可能性があります。

VRであらかじめ見ておけば、実際に見にいく物件を絞り込むこともできます。まだ新しい技術ですから、「VR内見ができる」というだけでも他社との差別化になり、お客様と不動産会社、双方にとってメリットが大きいサービスだといえるでしょう。

特別な技術がなくても使えるクラウドサービスも登場しています。成約率アップのためにも、VR内見の導入を検討してみてはいかがでしょうか?