賃貸仲介の開業に必要な手順や流れを解説!資金はいくら必要?

 賃貸仲介業 2022.06.21

賃貸仲介業を開業するには、通常の起業の方法とは少し違う手順、手続きが必要です。土地という有限のものを扱うので不動産会社は簡単に作ることができず、免許を取得しなければなりません。

手続きに時間がかかるものもあるので、計画的に準備を進めていくためにはどうすれば良いのか、開業までのスケジュールなどをわかりやすく解説します。

また、開業するにあたってはある程度まとまった資金も必要になります。何にいくら必要になるのか、その内訳も解説しますので資金準備の参考にしてください。

不動産で開業するには宅地建物取引士が必要

不動産会社を開業するには、宅地建物取引士を配置することが法律で義務付けられています。5人に1人の割合でおくことが決まっていますので、一人で開業するなら自分で資格を取得しなくてはなりません。

もし今資格を持っていないなら、開業までに取得するか、既に資格を持っている人を雇うしかないでしょう。

しかし、宅地建物取引士は試験に合格しただけでは開業できません。不動産業界での実務経験が2年以上ない場合には実務講習を受けなくてはなりませんせんし、受験をした都道府県で登録をして宅地建物取引士証の交付を受けて、初めて宅建士としての業務を行えるようになります。

登録の申請をしてすぐに宅地建物取引士証が貰えるわけではないので、1〜2ヶ月みて準備をした方が良いでしょう。

▼宅建士の資格についてはこちらも参考にしてください!

不動産の開業に必要な資金を用意する

開業するには資金が必要ですが、不動産会社の開業にはおよそ400万円が必要だといわれています。会社の規模によって総額に違いはあるものの、費用の内訳はこのようになっています。

  • 法人設立にかかる費用
  • 宅建協会への入会金等
  • 免許の申請料
  • 事務所の賃料や維持費
  • 事務費用
  • 半年分の生活費

それぞれ、詳しくみてみましょう。

法人設立費用

法人を設立するためには、

  • 収入印紙代
  • 定款の認証手数料
  • 謄本手数料
  • 登録免許税

などが必要で、およそ25万円かかります。

個人事業主として開業できないわけではありませんが、法人として開業した方が信用度が高くなります。万が一倒産した時にも債務は出資の範囲内となるため、法人化することをおすすめします。

宅建協会への入会金

宅建協会とは、正式名称を「全国宅地建物取引業協会」といい、およそ10万社が加盟している組織です。

不動産会社を開業するには供託所へ「営業保証金」を支払わなくてはなりません。不動産会社は取り扱う金額も大きいため、万が一トラブルが起きた時のために、保証金を預けないと開業ができないのです。

  • 本店:1,000万円
  • 支店:500万円(1支店ごと)

開業するにもお金がかかるのに、供託金まで準備するのはかなり大変です。しかし、宅建協会に入会すれば「弁済業務分担金」を支払うことで供託金の代わりにできるのです。

  • 本店:60万円
  • 支店:30万円(1支店ごと)

他にも入会金や年会費等がかかるのと、加入する都道府県によって若干の違いがありますが、およそ150万円ほどみておけばよいでしょう。

宅建士として登録する費用

宅建士として仕事をするには試験に合格するだけでなく、免許を持っていなくてはなりません。宅地建物取引業免許を申請するために33,000円かかります。

事務所の設置にかかる費用

会社の事務所としてオフィスを借りる必要があります。どのくらいの広さのオフィスをどこで借りるかによってかなり費用に幅がありますが、

  • 家賃
  • 敷金(家賃の6ヶ月分)
  • 保証金(家賃の1ヶ月分)
  • 仲介手数料(家賃の1ヶ月分)

などがかかります。もし家賃が10万円ほどだとすれば、余裕を持って100万円は用意した方が安心です。

その他の事務費等

ここまででおよそ200万円弱かかっていますが、事務所の備品やら車など、細々と用意するものがまだ残っています。店舗として営業を行うために内装工事もしなくてはなりません。

その他諸々をまとめると、100〜200万円はかかると覚えておいてください。

利益が出るまでの生活費

一人で開業する場合でも、運転資金は重要です。最初から利益が上がる人は少なく、最低でも半年は利益がなくても生きていけるように、生活費と事務所の維持費を用意しておくことが大切です。

賃貸仲介業を開業するまでの流れ

開業準備で書類を整理している様子

開業するには書類を準備したり、物件を探したり、やることがたくさんあります。一通りの流れを説明しますが、一つずつやっていてはとても時間が足りません。これらを順番にやっていくというよりは並行してやっていくイメージでスケジュールを考えましょう。

繁忙期の前に準備する

不動産業界の繁忙期は冬から春にかけてです。12月くらいから3月にかけて忙しくなるので、その前に会社を設立し、営業できるようにしておくのが理想です。

遅くとも11月には開業できるように準備を進めます。2〜3ヶ月かかることを考えると8月には行動を開始しましょう。

事務所物件を探し契約する

不動産会社を開業するには、自宅ではなく事務所を構えなくてはなりません。宅地建物取引業法で決められており、自宅の一部でも良いのですが、その場合には居住スペースと分け、専用の出入り口を用意する必要があります。

宅建免許を申請する際に事務所の写真を添付するため、申請時には物件が準備できていないといけないということです。事務所探しは最優先事項とし、デスクやパソコン、電話等備品も揃えておきましょう。

会社の設立

事務所が決まれば会社の設立手続きです。会社を作る手順は、おおよそこのようになっています。

  1. 屋号(会社名)を決める
  2. 会社の印鑑(実印)を作る
  3. 会社の定款を作り公証役場で認証を受ける
  4. 登記の書類を作成する
  5. 発起人の個人口座に資本金を払い込む
  6. 会社の所在地を管轄する法務局で会社設立の登記をする

手続きを一人で行うのは難しいですし、時間もかかるので、司法書士に依頼するのが一般的です。

宅建士の確保

最初にも説明した通り、宅建士は5人に1人おかなくてはなりません。自分が宅建しであれば問題ないのですが、もしそうでない場合には、宅建士の資格を持っている人を雇わなくてはなりません。

宅地建物取引業免許の申請

不動産会社を設立するには、免許が必要です。宅地建物取引業の免許を取得するためには、以下の3つを準備したうえで、申請をします。

  1. 事務所を設置する
  2. 宅建士を設置する
  3. 営業保証金

書類を作成して申請し、審査を通過すると免許通知が届きます。自分で全て手続きしても構わないのですが、書類の不備があると再提出に時間がかかり開業が遅れる場合もあります。行政書士に依頼して手続きしてもらった方がスムーズに進むでしょう。

宅建協会への入会

免許通知の葉書が届いたら、保証協会に入会して営業保証金1,000万円を収めなくてはなりません。しかしあまりに高額ですので、通常は宅建協会に入会し、弁済業務分担金60万円で済むようにします。

宅建免許交付後に営業開始!

宅建協会に入会して必要な費用を支払うと、免許証が交付されていよいよ営業を開始することができます。

事務所には、

  1. 標識の掲示
  2. 報酬額の掲示
  3. 帳簿を備え付ける
  4. 従業員名簿を備え付ける
  5. 宅建士の設置

この5つが義務付けられています。これは事務所単位で必須となっている事項なので、もし本店以外に支店も作る場合には、支店ごとにこの5つが必要となります。

まとめ:賃貸仲介業の開業は計画的に準備を進めることが大事!

賃貸仲介業で開業しようとするとき、宅地建物取引士が必ず必要になるので、自分で資格を取得するか、資格を持っている人を雇わなくてはなりません。また、資格を取得するだけでは業務が行えず、都道府県に登録をして宅建士証の交付を受ける必要があります。

不動産会社は、通常の株式会社の設立とはやや違い、宅地建物取引業の免許が必要になります。供託所に納める営業保証金も必要なので、設立までに時間とお金がかかります。営業開始までに2〜3ヶ月は見ておいた方が良いでしょう。

不動産の繁忙期の前に営業が開始できるよう、8月くらいから準備を進めましょう。