不動産の物件撮影。誰でも魅力的な写真が撮れる5つのコツ

 賃貸仲介業 2022.06.09

物件探しは、インターネットが主流です。お客様はポータルサイトなどに掲載されている写真を見て問い合わせをしてきますし、中には写真を見ただけで契約してくれる方もいます。それほど、ネット上に掲載する写真は重要なのです。

しかし、その都度プロのカメラマンを雇うこともできませんから、自分たちで撮影することが多いでしょう。そんなとき、物件をより魅力的に見せる撮影テクニックを知っていれば、集客につながる良い写真が撮れるようになります。

今回は、物件の撮影をするときに覚えておいて欲しい基本テクニックと、場所別の撮影のコツについてお話しします。

物件の写真撮影が上手くなる5つの基本テクニック

撮影に慣れていない人でも魅力的な写真が撮れるようになる、5つのテクニックをご紹介します。ちょっとしたコツですが、これができるとできないとは大違い。写真の印象が大きく変わります。

1.垂直・水平に撮る

写真は、ほんの少しでも斜めになっていると見た人が違和感を覚えます。不安定な写真はそのまま物件のイメージにつながってしまうので、気をつけたいところです。

安定した写真にするには、垂直(縦の線)と水平(横の線)がまっすぐになるよう、カメラのグリッド線を使って撮影します。柱などまっすぐなものを基準にしてグリッド線を合わせるとまっすぐな写真が撮れます。

2.明るく撮る

写真の明度と彩度はとても大切です。せっかくいい物件でも、写真が暗いと良い印象を持たれません。露出を補正して、明るく撮りましょう。

3.目の高さを意識して正面から撮る

撮影する角度にも気をつけます。上から見たり、下から見たり、極端に角度のついた写真は、写真の傾きと同様、見た人に違和感を与えてしまいます。安定した構図にするには、目の高さを意識することが大切です。

正面から、お客様が実際にその場に立って部屋の中を見たときのようにして撮影できると、自然な写真になります。そのためには、150〜160Cmくらいの目の高さを意識して撮影すると良いでしょう。

4.広く見えるように撮る

正面から撮るのは大切なのですが、できるだけ全体が広く見える工夫も必要です。

  • 正方形の部屋:角から対角線上に斜めに撮る
  • 長方形の部屋:短辺を背にして撮る。窓に向かって撮れるとなお良い

5.自然光を利用する

写真を明るくするには、露出補正以外にも自然光を利用する方法があります。日中、天気の良い時に撮影すると、フラッシュをたくよりも自然でイメージの良い写真が撮影できます。

スマホでも上手に撮影するコツ

スマホでカメラ撮影時のグリッド線

一眼レフカメラなど高価なカメラでないと良い写真が撮れないのではないかと思われがちですが、スマホでも十分魅力のある写真が撮れます。スマホを使った撮影のコツもご紹介します。

グリッド線を上手く使う

ここでもグリッド線を使いましょう。スマホのカメラにはグリッド線がついていますので、この線を使って撮影すれば構図が決まりやすくなります。

HDRできれいに撮影

HDR(ハイダイナミックレンジ)とは、明るさの違う複数枚の写真を合成することです。

「自動HDR」を設置しておけばさまざまな露出で高速連続撮影ができるので、逆光や暗い場所での撮影でも、きれいな写真に勝手に合成してくれます。

アプリで加工やレタッチ

撮影した写真を後から簡単に加工できるのもスマホのいいところです。万が一歪んでしまっても、水平や垂直の度合いを直すこともできますし、もちろん明度や彩度を調整することも可能です。

スマホ写真用の無料アプリがたくさんあるので、使い勝手の良いものを選んで色々試してみましょう。

場所別・物件の写真を上手に撮るコツ

ここからは、家の中の場所別に写真を上手に撮るコツをご紹介します。

建物の外観

外観を撮るときも、明るさや角度など、室内と同じ基本を守りましょう。晴れた日に、逆光にならないよう気をつけて撮影します。午後よりも、朝早い時間帯の方が空気が澄んでいるのできれいな写真が撮れます。

できれば、建物それ自体だけでなく、周辺環境も上手く取り入れながら撮影すると、物件の雰囲気が伝わる良い写真になります。

部屋の中

部屋の中は、形を意識してできるだけ広く、明るく見えるように撮りましょう。天井の高さがあるならカメラを縦にして撮るのも広く見せるコツです。

リビング

リビングも広さと明るさを意識して撮りたいところです。正方形のリビングは角から全体を見渡し、対角線の方向を向いて撮ります。長方形のリビングは短辺の方に立ち、奥行きを意識して撮影しましょう。

左右どちらか一方に偏ることのないよう、また、天井と床のバランスも考え、カメラの向きに気をつけて撮影してください。

玄関

玄関は家に入るときに真っ先に目に入る場所なので、丁寧に撮りたいところです。玄関は部屋と比べて狭い場所ですから立ったまま撮影するとどうしても狭く見えがちです。座るか、軽くしゃがんで撮ると良いでしょう。高すぎず低すぎない位置を探ってください。

また、できるだけ引いて撮りたいのですが、ドア枠が入ってしまうと狭く見えます。ドアを開け、ドア枠が入らないギリギリのとこまで下がって撮影します。

下駄箱を撮るときもしゃがんで撮影しましょう。立ったまま撮ると斜めに見えてしまうためです。真正面から撮影することを心がけてください。

トイレ

トイレは家の中でも一番狭い場所なので撮り方が難しい。できるだけ引いて、ドア枠が入らないように撮りたいですが、下がる場所がない時は難しいでしょう。トイレに限っては上から撮るのもありです。

洗面所・浴室など

洗面所や浴室は清潔感を第一にアピールしたい場所なので、明るさに気をつけます。きれいに掃除をし、水滴などが残っていない状態で撮影します。

浴室はできるだけ広く見せたいので浴室の中に入らず、ドア枠が入らないように気をつけて外側から撮りましょう。

ただし、ドアの位置によっては浴室全体を入れることが難しい場合もあります。そのような時は浴室の中で、高い位置から全体を見下ろすようにして撮影するのもおすすめです。

キッチン

キッチンは、実際に使う人の目線を意識して撮影します。

  • シンク
  • コンロ
  • 吊り戸棚
  • 引き出し

など、キッチンの設備が全て入るように撮影するのが理想です。そのためには、やや上から撮るのもありです。シンクに照明が反射しないような位置から撮りましょう。

たくさん撮っておくと後でいい写真が選べる

写真を撮る時は、とにかく数が重要です。手元でカメラを確認したときにはきちんと撮れてると思ったものが、実際にパソコン等で確認してみるとピントが合っていなかったり、ぶれていたり、上手く撮れていなかったということが多々あります。

より良い写真を選べるようにするには、1ヶ所につき1枚ではなくて、少しずつ角度を変えながら数十枚撮っておくと安心です。

ターゲットに合わせた写真の撮り方が大事

写真を撮るとき、正面、水平、垂直、明るさなどの基本テクニックを意識することはもちろん大事ですが、その写真を誰が見るのか、ターゲットを意識することも大切なことです。

たとえば女性は、明るいキッチン、清潔な浴室など水回りがきれいであることを重視する人が多いです。女性がターゲットの物件は、水回りの清潔さをアピールします。

まとめ:基本テクニックを知れば誰でも魅力的な物件写真が撮れる

お部屋をきれいに広く見せる写真の撮り方は、基本的なポイントを押さえておけば誰でもできます。水平・垂直を意識し、まっすぐ正面から撮るのが基本です。

また、明るさにも気をつけて、できれば日中の自然光を利用できる時間帯に撮影しましょう。外観を撮るときも天気の良い日を選びます。

部屋やリビングはできるだけ広く、明るく見えるように撮影し、トイレや浴室などは清潔感を大事にします。全体を見てもらうためには、正面からではなくて上から見下ろすようにして撮るのもありです。

写真はたくさんあれば選びやすくなりますから、1ヶ所に1枚ではなく、できるだけたくさん撮影しておいてください。少しずつ角度を変えながらたくさん撮り、その中からベストショットを選びましょう。