賃貸仲介でリピーターを獲得するには?取り組みの具体例を紹介
不動産の賃貸仲介で、リピーターを獲得することはとても重要なことです。しかし、なかなか次に繋がらないとお悩みではありませんか?
毎月、売り上げを追いかけていくのは大変ですが、リピーターが増えれば次の営業が楽になりますし、なによりも売り上げが安定します。
トップ営業マンと呼ばれる人たちは、新規のお客様を大切にすると同時に、リピーターの獲得に力を入れているからこそ、安定して高い売り上げを上げることができるのです。
ではどうすればリピーターを獲得できるのか、基本の方法と具体的な対策についてお話しします。リピーターが増えることが紹介客など顧客の拡大にもつながりますから、今すぐにでも対策を練りましょう。
目次
賃貸仲介でリピーターを獲得することの重要性
不動産業界には繁忙期と閑散期があります。常に新規顧客を一定の売り上げを保つのは簡単なことではありません。
新たにお客様をつかむには、
- SNSなどあらゆるツールを使って物件を宣伝する
- 問い合わせに対して営業をする
- 追客
- 内見の申し込み→物件の良さを現地でアピール
と、さまざまなプロセスを経てようやく契約に至ります。
しかし、リピーターがいればこれらの営業活動をしなくても契約にいたる可能性があります。
少なくとも、「以前と同様に、良い物件を紹介して欲しい」という気持ちで問い合わせをしてくださいますし、すでに一度紹介した物件を契約していただいているので、信頼関係ができています。
契約へのハードルも新規のお客様よりもずっと低いはずです。
また、リピーターの方は、自分が再度契約するだけでなく、他のお客様を紹介してくれることがあります。
これこそがリピーターをつかむことの大きなメリットです。営業活動をすることなく新たなお客様が増えるのですから、新規顧客獲得にエネルギーを使うより、リピーターを増やすことに注力した方が安定して売り上げを上げていけるのです。
賃貸仲介でリピーターを獲得する方法
リピーターを獲得するには、良い物件を紹介するだけでは足りません。物件が良いのは当たり前、担当者との間でどのくらいの信頼関係を築けるかが大切です。
100点満点は不要!「不満」を持たれないことが大事
リピーターになってもらう上で最も大事なことは、自社のサービスに満足してもらうことですが、ここで注意して欲しいことがあります。それは、お客様から100点満点をもらわなくても良いということです。
もちろん、大満足してもらえればそれに越したことはないですが、お客様の好みもさまざまです。全てのお客様を満足させることは難しいでしょう。
ですから、満点を目指すのではなく、減点されないこと、不満点を残さないことが重要なのです。
70〜80点の満足でも、大きな不満がなければ良い印象で終わります。しかし、途中まで満点だったとしても、なんらかの理由で大きな不満点が見つかってしまえば、それまでの満足も全て無になってしまう可能性があるのです。
ですから、これまでのお客様の声を参考にしながら、不満を残さない接客・サービスを考えてください。それがリピーター獲得への第一歩です。
丁寧なアフターフォロー
最初の契約が無事に終わったからといって気を抜いてはいけません。本番は、これからです。一般的に賃貸物件の契約更新は2年に1度ですから、更新に合わせて引っ越しをしようとする人も出てくるはずです。
そのときに自分のことを忘れられないためには、入居してからも定期的に連絡を取り、密な信頼関係を築いていくことが重要なのです。
忙しい毎日の中で、すでに契約が決まったお客様にまで気を配り、葉書を送ったりLINEやメールで連絡を取ったりするのは大変だと思います。
しかし、一人でもリピーターが増えてくれれば、結果的に新規顧客を獲得するための手間が減るのですから、この手間を惜しまずにアフターフォローにこそ力を入れるべきです。
リピーターを獲得するための具体策
では、どのようにしてリピーターを獲得するのか、その具体的な方法をご紹介します。
内見〜入居するまでのフォロー
来店された時からフォローは始まっていると思ってください。たとえば、
- 内見のときに見ておくべきポイントのチェックシート
- 入居申し込みや契約時に必要となるもの一覧
- 引越しの時の手続きチェックシート
など、これから契約する人の役に立つような情報を提供しましょう。
転勤族でもなければ引越し慣れしている人は少ないですし、初めての引越しであればなおさら何をしたらいいかわからないという人は多いです。
部屋を決めてから入居するまでにやるべきことがわかっていると、引っ越しもスムーズに進みます。そのサポートができれば、「あのときはとても助かった」と良い印象を持ってもらえるでしょう。
ITツールなどで便利さをアピール
不動産会社はITツールの導入が遅れているといわれています。だからこそ、便利なツールを導入することで、他社との差別化が図れます。
お客様は部屋を決めるのに何度も不動産会社に足を運ばなくてはなりませんし、契約時もわざわざ出向かなければなりません。社会人なら平日は忙しいですし、遠方から引っ越してくるならさらに時間が限られてしまいます。
その悩みを解決するには、
- オンライン内見
- IT重説
- 電子契約
などのツールを積極的に導入していきましょう。現地に行かなくても内見ができる、家に居ながらにして契約ができるとなれば、便利だという理由で「次も利用してみたい」と思ってくれる人が増えるはずです。
手書きの葉書を送る
人の心に訴えかけるには、アナログな手法も有効です。メールで「その後いかかがお過ごしですか」と送るのも良いですが、その他大勢のメールに埋もれる可能性が大きいです。
その点、手書きの葉書は、ポストを開ければ必ず目に触れるでしょう。葉書を送る時のポイントとしては、印刷しただけの葉書ではなく、一言で良いから手書きのメッセージを加えるということです。
ただ印刷しただけの葉書を送るなら、メールと大差ありません。いかにも営業の葉書という印象になってしまいますので、担当者の人間性を感じられるような葉書にするのがポイントです。
暮らし心地のアンケートをお願いする
実際に住んでみたら思ってたのと違った、というギャップを少なくするためにも、入居してから満足した点、もしくは不満に思った点を聞いておくことはとても重要です。もし不満な点があれば、その情報は次の入居者に部屋を紹介するときに役立つはずです。
LINEやSNSを使って連絡しやすい環境を整える
年代によってよく使うSNSはさまざまです。LINEは幅広い年代で使われていますが、若い世代だとInstagram、少し上の世代ならTwitterやFacebookなどがあります。
どのSNSからでも気軽に問い合わせができるように窓口を作っておき、どのような小さいことでも良いのでいつでも連絡してください、という環境を整えておきましょう。
更新のタイミングで連絡
およそ2年に1度、契約の更新がありますので、更新の3〜4ヶ月前にくらいに連絡を入れます。契約を更新せずに引っ越しを考えている人もいますので、「別の部屋を探したい」といわれれば、もうリピーター確定です。
営業担当者に任せず会社全体でリピーター獲得対策
リピーター獲得作戦で大切なのは、営業担当者個人に任せないで、会社全体で取り組むことです。顧客が増えるほと一人で対応することは難しくなるので、組織をあげて対応しましょう。
顧客情報を全員で把握する
一人でできることは限られています。たとえば、顧客のデータは一括して管理し、
- 顧客の誕生日
- 契約更新日
などを元に、葉書やメールを送るタイミングを決めておきましょう。
誰が送っても良い内容のものであれば、あらかじめ雛形となる文面を作成しておき、決められた期日にメールが送られるように設定しておけば良いのです。そうすれば、Aさんは余裕があるからまめに顧客に連絡をとっていたけれど、Bさんはそこまで手が回らずにリピーターが獲得できていない、ということも防げます。
リピーター割りなどのキャンペーン
最近増えてきているのが、リピーター向けの特典です。たとえば、
- 仲介手数料50%オフ
- 敷金・礼金割引
- 成約で現金プレゼント(キャッシュバック)
- 商品券プレゼント
などのキャンペーンも、リピーターを呼び込む効果的な施策です。どのようなキャンペーンがあったら嬉しいかなど実際にお客様に聞いてみるのも良いでしょう。
まとめ:賃貸仲介でリピーターを作るにはきめ細かい心遣いが大事!
不動産仲介業で常に一定の売り上げを獲得するのは簡単なことではありません。だからこそ、次のお部屋探しの時にも自社を利用してくれるリピーターの存在が重要なのです。
リピーターになってもらうには、契約の前からの手厚いサポートが必要です。
契約してもらおうというのではなく、部屋選びがスムーズに進むようにお手伝いしようという気持ちでサポートしましょう。
そして、折に触れて葉書を送ったり、更新の前に連絡を取ったりして、きめ細かい心遣いで忘れられないようにすることが大切です。
リピーターになってもらえれば、新規顧客を獲得する多大な手間と時間をかけることなく、次の契約を獲得できるチャンスが増えるのです。
営業担当だけでなく、会社全体でリピーターの獲得に力を入れていきましょう。