物件確認(物確)とは?業務を効率化してスムーズに進める方法

不動産仲介の仕事の中で欠かせないもののひとつが物件確認(物確)です。物件の最新情報を確認するための作業で、賃貸仲介・売買仲介ともに必要な仕事です。

ただ、せっかく確認するなら、ただ空き情報を聞くだけでなく、少しでも成約に結びつけられるような、実りのある問い合わせにしたいものです。

また、物件確認はファックスを送ったり電話をかけたり、確認作業に時間がかかり、それが人手不足になり残業が増える原因の一つでもあります。やらなくてはいけないとわかっていても、なかなか手間のかかる仕事です。

そこで今回は、物件確認のやり方のポイントと、スムーズに進めるためのコツについてまとめました。毎回面倒だと思っている人はぜひ参考にしてください。

物件確認とは物件の状況を確認すること

物件確認とは物確(ぶっかく)とも呼ばれています。物件の空き室状況や販売状況を確認する作業のことです。

お客様が興味を示した物件が今どうなっているのかを確認する作業ですから、賃貸仲介・売買仲介ともに、欠かせない仕事の一つです。

通常、不動産会社が取り扱っている物件は複数の会社で情報を共有しています。もし契約が決まれば、自社のホームページはもちろん、レインズや各種ポータルサイトの情報も更新していかなくてはなりません。

しかし、他の業務に時間をとられ、すみやかに情報の更新ができないこともあります。そのため、お客様が「この物件を見たい」といったときに、直近の状態がどうなっているのかを確認する必要があるのです。

もし何も確認せずに話を進めてしまい、いざ契約となった時に「すでに他の契約が決まっています」となれば、大きなトラブルとなってしまうでしょう。

そのため、どんなに忙しくても折に触れて物件確認をしておくことが必要となりますが、それが大きな業務の負担となっています。

賃貸仲介の物件確認

賃貸アパートの外観

物件確認とは、契約済みかどうかの確認であると先ほど説明しましたが、賃貸仲介の物件確認は、もう少し踏み込んだ確認が必要です。物件確認=内見と捉えて取り組むことが大切です。

何を聞くかまとめてから電話する

物件確認で電話をするときは、空いているかどうかの状況を確認するわけですが、その時に押さえておくべきポイントがあります。

  • お客様の質問など聞くことをまとめておく
  • 資料に書いてあることを改めて聞かない
  • 同時に周辺物件についても確認しておく

など、1回の電話でできるだけ多くの情報を得られるようにすることです。電話をする前に、何を聞くべきなのか書き出しておくと、そのひと手間で要領良く電話ができます。

時間のある時に物件を見に行こう

物件確認は、電話やファックスで直近情報を確認できれば良いのですが、お客様から問い合わせがあったときの確認だけでなく、間取り図ではわからない情報を探しにいくのが賃貸仲介の物件確認だと思って取り組みます。時間のある時に、物件を見に行くことが大切です。

事前に物件の情報をできるだけ多く仕入れておくことで、お客様が興味を示した時に、より詳しくご案内することができます。

間取り図だけではわからない詳細情報をお伝えすることでお客様の信頼を得ることができ、事前に様々な情報を伝えることで内見の時間を短縮することにもつながります。

繁忙期の前の体制づくりが鍵

人事異動や入学の時期、特に春は賃貸仲介にとって最も忙しい時期になります。この時期に、従来通りの物件確認をしていては、時間がいくらあっても足りません。物件確認をまとめて行う部門を設置して、効率よく行うことが成果を上げることにつながります。

売買仲介の物件確認

売買仲介での物件確認は、お客様が見てみたいといった物件がまだ販売中かどうかの確認をする作業です。

常に直近情報を仕入れること

確認する相手が大手の不動産会社ですと取り扱っている物件も多く、なかなか返事が来なくて困ることもありますが、成約済みの物件をご案内するわけにもいきません。時間がかかっても、必ず行わなくてはならない作業です。

午前中に「まだある」と確認した物件が、午後には売れていたということもあります。売れてはいないけれど、他の人が申し込んでいる、売主の事情で売却が中止になったなど、状況が変わることはよくあることです。ですから、常に直近の物件情報を確認する必要があるのです。

物件確認の電話で聞くべきこと

物件確認はファックスで行うことも多いですが、電話で確認することもあります。その場合は、以下のこともついでに確認しましょう。

  • 価格が変わっていないか
  • 値引きは可能なのか
  • この物件の注意点

などです。

下見に備えて、鍵の確認などもしておきましょう。1度の電話で、「成約済みかどうか」以外の情報も聞き取れる人が優秀な営業だといえます。

物件確認で困ること

物件確認は必ず行わなくてはならない仕事だとわかってはいるけれど、非常に手間のかかる作業であるため、それが他の業務の妨げになっていると感じている人は多いと思います。

不動産業界は残業が多く、ブラックだと思わわれがちですが、その要因の一つがこの物確業務であるといわれています。

アナログな作業に時間がかかる

物件確認をするために、毎回大量のファックスを送っている、という人も少なくありません。すぐに確認したい時には、電話をかけるでしょう。それらのアナログな作業にはとても時間がかかります。相手からすぐにファックスの返信がこないときもあり、この時間も非常にもったいなく感じます。

返信の手間もかかる

自社が取り扱っている物件に対して問い合わせが来ることもあります。直近の状態を確認して返事をしなくてはなりませんので、その対応にも時間がかかります。特に繁忙期は問い合わせ件数も増えますので、他の業務を圧迫しがちです。それが残業、長時間労働につながってしまう要因の一つです。

作業ミスも起こりがち

物件確認は、確認する側もされる側も、アナログな作業となっていることが多いため、どうしてもミスが起こりがちです。どんなに気をつけてもヒューマンエラーは防げないため、情報の修正ミスなどが起こってしまいます。

物件確認をスムーズにする3つの方法

パソコンで作業するスタッフ

ではどうすればこの面倒な物件確認をスムーズに進めることができるのでしょうか?そのポイントについてまとめました。

1.インターネットファックスを使う

物件確認を行う際に、紙を印刷して1件ずつ送っている人は、インターネットファックスに切り替えましょう。

電話回線を使うのではなく、インターネット回線を使ってファックスを送るようにすれば、わざわざプリントアウトしなくてもパソコンからそのまま送ることができます。ファックスデータを電子化するのです。

インターネットファックスにすることによって、送る時の手間も減るばかりか、ファックスの保存も楽になります。送受信したファックスの内容はすべてデータで保存できますので、いつどこに何を送ったのか、パソコンやタブレットで確認ができるようになります。

2.物件情報をデータベース化する

自社が管理している物件の情報をどのように管理していますか?エクセルに入れたり、紙でファイリングしたり、まちまちになっていないでしょうか。

問い合わせが来た時にすぐ対応できるよう、物件情報をデータベース化しましょう。最初は手間がかかりますが、確認が楽になることを考えれば、手間をかける価値はあるはずです。

3.物件確認システムを導入する

物件確認に自動で応答してくれるシステムなど、物件確認をスムーズにするサービスも増えてきました。このようなシステムを利用すれば、物件確認にかかっていた時間を大幅に削減できるでしょう。

まとめ:物件確認は1回の問い合わせでより多くの情報を得ることが大事

営業スタッフ

物件確認とは、お客様が借りたい、買いたいと物件に興味を示したとき、まだ空いているかどうかを確認する作業のことをいいます。

賃貸仲介、売買仲介ともに欠かせない作業の一つです。午前中には空いていた物件も、午後になったらすでに契約が決まっていた、ということもありますので、常に直近の情報を確認することが大切です。

また、物件確認を行う際は、物件が空いているかどうか、売却されていないかどうかだけを確認するのではなく、周辺情報もあわせて確認するのがポイントです。

時間があれば物件を自分で見に行くことはもちろん、売買仲介なら値引は可能かどうかなど、成約に結びつけるための情報も得るようにしましょう。

1度の問い合わせでより多くの情報を引き出し、限られた時間を有効活用することが、物件確認を成約に結びつけるコツです。