不動産の繁忙期は?この時期、成約率アップのためにやるべきこと
不動産業界には繁忙期と閑散期があります。春に人が移動することが多いため、不動産業界の繁忙期はその前の1〜3月です。この期間は1年で最も忙しくなるのでスケジュール管理も大変です。
しかし成約率も高くなる時期ですから、忙しいなどと言っていられません。せっかく希望者が殺到するこの時期に入居者を確保しておかないと、次の繁忙期まで空室となってしまうリスクがある時期でもあるのです。
では、繁忙期にどのように営業活動を行えば目標とする入居者を確保できるのか、繁忙期ならではの対策についてお話しします。
不動産業界の一番の繁忙期は1〜3月
不動産業界が最も忙しくなるのは1〜3月です。春になると、進学や就職、人事異動などで引っ越しする人が増えます。大学の合格発表がある2月後半から人事異動の内示がでる3月ごろ、4月の引っ越しに向けて家探しをしなくてはならないため、1〜3月が繁忙期となるのです。
ですから、この時期は1年のうちで最も成約率が高くなる季節です。人気物件は早々に決まってしまいます。
第2の繁忙期は9〜10月
実は繁忙期が来るのは春だけではありません。秋にも第2の繁忙期ともいうべき時期があります。それが、9〜10月です。人事異動を秋に行う企業もあるのでこの時期も引っ越しが増えるのです。
春との違いは、ファミリー層が多いという点です。春は進学のために上京する人も多く単身者向けの物件も人気がありますが、人事異動による引っ越しは家族で動くことになるので、ニーズに合わせた物件を揃えておくことが大切です。
10〜12月に忙しくなることもある
最近では総合型選抜(AO入試)や指定校推薦などで年内に進学先が決まることも増えてきました。そのため、年内に物件探しをする学生もいるのです。本格的な繁忙期には及ばないまでも、単身者向け物件の人気が高まる季節でもあります。
繁忙期に不動産会社がやるべきこと
繁忙期にできるだけ契約を結ぶことはもちろんですが、売り上げアップのためにはしっかりと準備をして臨むことが大切です。なんとなく繁忙期を過ごして、「もっとこうすればよかった」と後悔しないようにしたいものです。
忙しいからこそ接客の質を維持することが大事
忙しさに追われて自分に余裕がなくなってしまうと、小さなことがおろそかになり、その積み重ねで契約を逃してしまう可能性もあります。忙しい時こそサービスの質を下げないようにすることが大切です。
具体的にはこのようなことに気をつけてください。
- 笑顔で挨拶をすること
- 清潔感のある身だしなみ
- 小さな質問にも丁寧に回答する
- 契約を無理強いしない
- メールや電話の対応は素早くする
特に、第一印象は大切です。見た目の印象と声の印象、どちらも気を抜かないようにしましょう。電話で問い合わせをいただいた場合、姿は見えないので電話に出た人の声の印象がその会社の印象となります。
その先に話が進むかどうかは、最初の印象にかかっています。忙しいときほど「丁寧」を心がけてください。
1日も無駄にしないよう体調管理
繁忙期はあっという間に過ぎていきますが、毎日のように予定が入りゆっくり休む暇もないでしょう。そんな時こそ健康第一です。インフルエンザが流行する季節でもあるので、いつもよりも特に気をつけなくてはなりません。1週間仕事を休んだら、契約にどれほど影響が出るでしょうか。
また、休まないまでも、体調が不十分では満足のいく接客はできないでしょう。万全の体制でお客様を迎えられるよう、生活リズムを整え、食事にも気を使うことが大切です。
クレジットカード決済の導入
現金払いや振込しか支払い方法がないとお客様が不便です。カード支払いができないと現金をおろしに行ったり、銀行に振り込みに行ったりしなくてはならず、その不便さゆえに契約を逃してしまう可能性もあります。
クレジットカードが使えたらいいのにというニーズに応えるためにも、繁忙期に入る前に準備をしておきたいところです。クレジットカード決済や電子マネー決済など支払い方法を増やしておくことで他店との差別化がはかれるでしょう。
チームで乗り切る環境を作る
契約まで行くと、さまざまな事務作業が発生します。メールの対応はもちろんのこと、契約関連書類を作成するなどやらなくてはいけない仕事が増えるため、営業スタッフに任せきりだとどうしても仕事の効率が悪くなりがちです。
事務の流れを見直し、事務所全体で営業スタッフを支える体制を作りましょう。営業スタッフが営業の仕事に専念できるように事務作業は他のスタッフに割り振り、誰が何をするか担当を明確にしておきます。
繁忙期だからこそ、チームで戦う体制づくりが必要です。
3月はタスク管理をしっかりと!
繁忙期は自然と売り上げもアップする時期です。契約数が飛躍的に伸びますので、それに伴い業務量も自然と増えるでしょう。忙しさに追われていると小さなミスが増えるものです。
うっかりミスでお客様に迷惑をかけることのないように、ひとつひとつのタスクをしっかり管理して仕事を進めていくことが大切です。この時期だからこそ「報・連・相」を欠かさず、お互いに進捗状況を確認しあって仕事を進めていきましょう。
的確なスケジューリング
繁忙期に売り上げを伸ばすために必要なことは、どれだけ多くのお客様に対応できるかです。物件に案内するお客様が多いほど、契約に結びつく率も高くなるからです。
週末は特にお客様が集中するので、効率よく案内できるように無駄な時間を極力減らさなくてはなりません。1日に何件のお客様を案内できるのかが勝負です。1組のお客様にかける時間を考え、すぐに契約しなさそうなお客様には後日違う物件を案内する提案をするなど、無駄に時間をかけないことが大切です。
契約が決まったら必要書類を提出してもらう期日、仮契約の日、鍵の引き渡し日などその後の手続きが滞ることなく進むようにスケジュールを立てましょう。
閑散期を制するものが繁忙期を制する
ここまで繁忙期にやるべきことをお話ししてきましたが、繁忙期を乗り切り売り上げをアップさせるためには、閑散期から準備をしておくことが大切です。
もし、今回の繁忙期にうまくできないことがあったなら、次回に備えて閑散期にやっておくべき課題を洗い出しておきましょう。
自社ホームページの見直し
ホームページの見直しは時間がかかります。繁忙期にはできないので、仕事が比較的楽な閑散期にやっておくべきです。
物件探しにはポータルサイトを利用する人も多いですが、検索して不動産会社のホームページにたどり着く人もいます。せっかく訪れた人を逃さないためにも、ホームページを充実させることはとても大切です。自社のホームページから問い合わせをしてもらえるようになれば、ポータルサイトにかける広告費の削減にもつながります。
- スマホでも見やすいページ
- SSL対応
- 物件の写真がきれい
- 問い合わせまでの導線が整っている
- コラム記事など情報が充実している
などの対策が考えられます。
新規物件を見つけておく
お客様のニーズの傾向を見極め、閑散期のうちに人気の出そうな物件を見つけておきましょう。良さそうな物件があったら、空室になった時に情報をもらえるよう、管理会社にお願いしておくことも必要です。
物件の写真をより魅力的にする
ホームページを充実させるためにも、写真は常に最新の状態で、明るくきれいなものにしておきます。自分がお客様だったら物件のどんな写真を見てみたいか、考えてみてください。
どの角度からの写真が見たいか、どんな写真なら実物を見てみたいと思うかを研究し、魅力的な写真を揃えましょう。
閑散期に業務の効率を見直しておく
繁忙期に入ってから仕事のやり方を見直す暇はありません。閑散期のうちに、無駄な仕事をしていないか、もっと効率的に進められることはないか、徹底して見直します。
手作業でやっていることは、ソフトの導入で効率化できる場合もあります。「今までこうやっていたから」という先入観は捨てて、仕事のスピードを上げるためにはどうすればいいか、チーム全体で考えてみましょう。
前回の繁忙期の問題を閑散期のうちに解決しておく
繁忙期になると時間に追われてゆっくりと反省することもできません。ですから、閑散期になったら、前回の繁忙期では何が問題だったか、やるべきこと・できることがもっとあったのではないか、じっくり反省する良い機会です。
次の繁忙期までまだ時間がありますので、問題点を洗い出し対策しておくことで、同じ間違いを繰り返さなくて済みます。閑散期にどう動くかが、売り上げアップに大きな影響を与えるでしょう。
まとめ:不動産の繁忙期で売り上げアップするには閑散期が大事!
不動産業界の繁忙期は、1〜3月です。この時期は売り上げアップに直結する時期ですので、1件たりとも逃したくないところです。しかし、やみくもに営業活動をしても契約は取れません。 スケジューリング、タスク管理などをいつもに増して計画的に行い、チーム一丸となって仕事を進めていきましょう。
また、繁忙期に売り上げをアップさせられるかどうかは、閑散期の過ごし方にかかっています。手が空いてる時期だからこそ、前回の繁忙期の反省を次の繁忙期に生かすための対策を考えます。閑散期を制するものが繁忙期を制するのです。