不動産の追客とは?7つの方法と成約率を上げる基本の流れとコツ

 集客 2022.06.03

不動産業界における追客とは、文字通りお客様を追うこと。反響のあったお客様に、こちらから改めてアプローチをかけていく営業のスタイルですが、その方法はいろいろあります。お客様に合わせて、効果的な方法を選ぶことが大切です。

ではどの方法が適しているのか、追客のやり方について解説するとともに基本的な流れについて詳しくお話しします。

また、成約率を上げるためにはどのような点に気をつければいいのか、追客のコツについてもあわせてお話ししますので、契約に結びつく追客を模索している方は是非参考にしてください。

不動産の追客(ついきゃく)とは

不動産の営業で不可欠だといわれている、追客。ポータルサイトからの問い合わせなど反響のあったお客様に対してメールや電話でアプローチするなど、お客様を「後追い」するのが追客です。

一般的な営業職ではあまり聞かない名前ですが、この呼び名があまり一般に馴染みがないだけで、不動産業以外でも使われている方法ではあります。

たとえば、「次回来てくれたら10%オフ」などの割引券を渡すのも追客のひとつです。

初めての反響にはスピードが大事!

お客様から問い合わせがあったら、即回答することが何よりも重要です。メールであれば遅くとも1時間以内に返信または電話等でアプローチをしたいところです。

不動産は高い買い物です。賃貸にしても、自分が住む場所を決めるという重要な決定に関わることですから、問い合わせをしてきた時点が最も温度が高くなっている状態です。

数ある物件の中を見て問い合わせをしてきたそのタイミングを逃してはなりません。

時間が経つほど温度が下がり、他の不動産会社に移ってしまう可能性が高くなります。

アポまで数年かかることもある

最初の追客でうまくいかないこともあります。その場合は、「契約が決まったから」と断られない限りは諦めずに追客を続けていくことになります。

定期的に連絡を取り、お客様のニーズを引き出していきます。アポイントの獲得を目標に、興味を持ってもらえそうな物件を案内します。

家を買ったり、借りたり、という決断はそう簡単にはできないので、アポ獲得まで場合によっては数か月から数年かかることもあります。

契約後に追客することもある

アポを取り、無事に契約に至った場合でも追客を続けるケースがあります。この追客は、最初のお客様ではなく、そこから親戚や友人・知人など新しいお客様を紹介してもらうために行うものです。

契約したら終わり、ではなくて、その後もお客様とコミュニケーションを取りながら信頼関係を築いていきます。

「不動産を探している人がいたらご紹介ください」と折に触れて伝えることで、新規顧客の開拓に繋げていきます。

不動産業における追客の重要性

他の業種では、どちらかというと集客や接客が重視されます。しかし、不動産業では追客の方が重要です。不動産の契約をするには大きな決断が必要なので、お客様が迷っている時間が長いからです。

問い合わせをしたときに即決するお客様は少ないです。だからこそ、その迷いを払拭することができるよう、お客様に寄り添って「買いたい」「借りたい」という意欲を高めていくことが重要です。

追客をすれば、温度の高いお客様とそうではないお客様を見分けることもできます。お客様の反応を見ながら、見込みがないと思った場合にはアプローチの頻度を減らし、より温度の高いお客様に集中してアプローチをするなど効果的な営業活動にも役立ちます。

不動産における追客・7つの方法

パソコンで作業中

追客の方法は主に7つあります。それぞれの特徴をまとめました。

追客の方法コスト特徴
電話一人の顧客に一人の担当者がつくので時間も手間もかかる
メール開封率が低い
ステップメール自動化によって手間がかからない
LINEメールよりも見てもらえる確率が高い
ダイレクトメールメールよりも開封率が高い
葉書・手紙季節の挨拶等営業とは関係ない内容で送れる
SMSメールよりも開封率が高い

電話をかける

すぐに情報を知りたいというお客様には電話でのアプローチが有効です。直接話すことで温度感もわかりやすいですし、その場でアポを取り付けることも可能です。年配の方はメールのやり取りよりも直接話を聞きたいという人が多い傾向にあります。

また、メールでの問い合わせに対して返信したときに、お客様から再度返信があった場合は温度が高いと判断して、電話をかける場合があります。

ただ、1人の担当者が一度に対応できるのは1人のお客様であるため、コストがかかるというデメリットがあります。

メールを送る

コストをかけずに追客するには、メールが一番です。 一斉送信ができるので、一度にたくさんのお客様にアプローチができます。

迷惑メールとして別フォルダに入ってしまうケースもありますし、お客様の反応を見づらいというデメリットもありますが、1通送るのも1,000通送るのも手間は同じというメリットがあります。

予約配信もできるので、作業の自動化によって効率的な追客ができるでしょう。

ステップメールも活用する

ステップメールとは、事前に用意した複数のメールを、一定期間スケジュールに沿って順次送っていく手法のことです。

たとえば、

  • 1日目:メールマガジン登録のお礼のメール
  • 2日目:役に立つコンテンツを送る
  • 3日目:ユーザーの声
  • 4日目:自社のこだわり

など、あらかじめ原稿を書いて登録しておきます。

一度登録してしまえばあとは自動配信なので、その都度メールの文面を考える必要もありません。

LINEでの追客

今やLINEは日本でも利用者が9,000万人に達しており、幅広い世代で利用されています。若い世代だと、メールよりもLINEでやりとりする人の方が多くなっているかもしれません。LINEの公式アカウントを作り、お友達登録をしてもらうことで、より個人的なアプローチが容易になります。

一方で、あまりアプローチの頻度が高いとうるさがられる心配があります。長文を送るのにも適したツールではないので、送る内容には注意が必要です。

ダイレクトメール

オーソドックスな方法ですが、開封率はメールよりも高いです。日本ダイレクトメール協会が行った調査(2018年)によると、開封率は80%となっており、ほとんどの人が一応中身は見てくれることがわかります。 デメリットとしては、郵便物の印刷代と郵送代がかかることです。

そのため、長期ではなく短期の追客に向いている方法です。 メールですとコストを下げることができるものの、そもそもメールを開封すらしない人の方が多いので、確実に情報を届けたいならDMも上手に使っていきたいところです。

葉書・手紙

ダイレクトメールは、自分以外の顧客にも一斉に送っているものだと思われてしまいますが、葉書や手紙はプライベート感のあるアプローチ方法です。

電話は直接話ができるメリットはあるのですが、相手の時間を奪ってしまうことにもなり、「しつこい」と感じられるリスクもあります。忙しい相手ほど嫌がられてしまうでしょう。

その点葉書や手紙は相手の時間を考慮せずに送れますし、季節の挨拶など営業色を感じさせないアプローチもできます。郵送代がかかりますが、メールよりは目を通してもらえる可能性が高いです。

SMSは見てもらいやすい

SMS(ショートメッセージ)は、メールアドレスが分からなくても電話番号さえわかっていれば追客が可能です。

文字数に制限があるため、一度に伝えられる情報は少ないのですが、1日にたくさん送られてくるメールよりもお客様の目に留まりやすく、中身を読んでもらえる可能性が高い追客の方法です。

文字数ごとに費用がかかりますので、より温度の高い顧客に絞って送るのがポイントです。

不動産における追客の流れ

追客は、問い合わせや資料のダウンロード、セミナーの申し込みなどお客様から何らかのアプローチがあってから始めるものです。

具体的にはどのようにして追客を行うのか、その手順について説明します。

リストを作る

  • 連絡先
  • 反響の経路(ポータルサイトからの問い合わせ等)
  • ニーズ(一戸建て、マンション等)
  • 契約の希望時期

など情報を整理した上でリスト化していきます。

リストに基づいて顧客を振り分ける

追客で大切なのは、適切な顧客の管理です。どのお客様にどういった情報を届けることが望ましいのか、温度感によって顧客を分けることによって効果的な追客ができるようになります。

すぐにでも契約したそうな人と、検討を始めたばかりで契約はまだまだ先になりそうな人とでは、追客の方法が変わってくるからです。その点をしっかりと見極め、顧客の整理をしましょう。

温度に合わせた追客

リストを活用しアプローチを開始しますが、短期で成約しそうなお客様には電話など直に話ができる方法が有効です。

逆に長期のお客様にはメールやダイレクトメールなど、関係性を構築していく方向で追客を開始します。

成約率アップにつなげる追客のコツ

追客を契約に結びつけるには、お客様の温度を的確に測り、相手に合わせた温度でアプローチをすることが大切です。

適切な頻度が大事

人は接触回数が多いと相手に好感を持つという特性があるので、接触頻度を増やすことがとても重要です。とはいえ、しつこいと感じられてしまっては元も子もないでしょう。

まだ検討を始めたばかりなのに何度も電話が来たり、毎日営業メールが送られてきたら、お客様もうんざりしてしまいます。ステップメールや季節のあいさつ葉書なども利用しながら、適度な頻度で追客を行いましょう。

開封してもらえるメールタイトルを工夫する

メールは開封してもらえるかどうかが重要なポイントです。メールを開いてもらうためは用件が分かりやすく、興味を惹くタイトルを徹底的に考えてください。

聞き上手になる

電話をかけたときには、こちらが話すためではなく、相手の話を聞くためという意識で対応することが大切です。

相手の本当のニーズが引き出せれば、それに見合った物件を紹介できるので、成約率もぐんとアップするでしょう。 信頼関係を築くために、話すより「聴く」を心がけてください。

ひとりひとりに合わせた物件を紹介する

追客をしながら、お客様が本当に求めている物件の情報を提供していくことが成約率アップにつながります。

数ある条件の中で最もこだわりたい部分はどこか、それがわかれば最適な物件を紹介できます。その人に合った情報を提供することでお客様の温度も高まっていくのです。

適切な効果測定をする

追客は、アプローチして終わりではありません。例えばメールなら、何曜日の何時に送ると開封率が高まるか?など、効果を測定して初めて次のアプローチにつながります。

効果のない追客を続けないためにも、目標を立て、効果が出ていない場合はやり方を見直すなどの対策が必要です。

まとめ:不動産の追客はスピードが大事!

不動産は高い買い物ですから、決断するまでに時間がかかります。だからこそ、反響のあった人に対して素早く追客をしていくことが大切です。

追客の方法は、電話やメール、最近ではLINEを活用した方法もあります。

相手に合わせた方法と頻度を選ぶことが成約率アップにつながります。しつこくするのは逆効果ですが、忘れられない程度にアプローチしながらお客様との信頼関係を築いていきましょう。