不動産の成約率を上げるコツとは?契約を勝ち取る6つのコツ

 営業 2022.05.09

不動産の成約率がなかなか伸びないとお悩みではありませんか?広告費もかけているし、営業活動も頑張っているけれど、なかなか契約に至らない。成約率が上がらないのには必ず原因があります。その原因を探らない限り、今の状況が続いてしまうでしょう。

ホームページの情報不足やお客様への営業の仕方が適切でないことが考えられますが、まずは自社の成約率が上がらない原因を特定しましょう。その上で、対策を考えます。

今回は、成約率が上がらない時にありがちな原因とその対策についてお話しします。改善点が分かれば、きっと成約率も上がるはずです。

不動産の成約率とは?

不動産の成約率は、来店してくださったお客様のうち、どのくらいの割合で契約してくれるかという数値です。ただ、もう少し細かく分けると何の成約率かによって考え方も変わってきます。

不動産の成約率の計算方法

計算方法は、「成約件数÷来店した件数×100」で割合が出せますが、割る数を何にするかで何の成約率なのかが変わるということです。

たとえば実際に物件を案内した数で割れば物件案内の成約率となりますし、ホームページから問い合わせで契約した件数を割り出せば、ホームページの成約率ということになります。

このようにして、問い合わせから契約に至る過程、それぞれの成約率を割り出すことで、営業活動の問題点を洗い出すことができます。

不動産の平均成約率

公益社団法人「全日本不動産協会」によりますと、案内、申し込み、契約という流れにおいて、それぞれこのような成約率が理想としています。

  • 案内率:90%
  • 申込率:80%
  • 契約率:70%

営業担当者が物件を案内して契約に至る率は、5%〜20%といわれますが、物件の立地や価格によってかなり幅があります。

不動産の成約率が低い時に考えられる6つの原因

来店はしてもらえるけれどなかなか契約に至らないなど、成約率が低い時に考えられる原因としては、このようなものが考えられます。

1.成約につながりやすい顧客を見極められていない

お客様の「温度」はさまざまです。そろそろ引っ越しをしたいから何となく良い物件はないかと探している人と、結婚を機に新居を探している人では温度が違うのです。

温度の違いを考えずに同じような営業をしてしまっては、見込みの高いお客様を逃すことになります。まだ温度が高まっていないお客様に熱心に営業をしても契約を勝ち取ることは難しいでしょう。

2.熱意を持って物件の魅力を伝えられていない

物件案内にいたらないときには、自分の説明がどう受け取られているのか、振り返ってみてください。その物件の良さ、魅力を本気で伝えられているでしょうか? 物件情報の詳細がしっかり頭に入っておらず、自分の言葉で説明できていない時は成約率も低いものです。

3.お客様のニーズを引き出せていない

物件案内までいくが申し込みに至らないときには、お客様とのコミュニケーションが足りていない可能性があります。お客様は物件を色々みてもなかなか決め手がない、これという物件に出会えないと思って契約できずにいるのですが、それはお客様の中にある「課題」を解決できていないからなのです。

こんな物件ですよと、インターネット上でもわかるような情報を提供しているだけでは、お客様の本当のニーズは引き出せません。なぜ決めきれないのか、お客様自身でもわかっていないことがあります。そこを引き出すのがプロの営業です。

4.お客様が知りたいことを伝えられていない

同じ物件を案内するにしても、どの点を魅力だと感じるかはお客様によって違います。ですから、お客様によって伝え方を変えなくてはなりません。なかなか成約に至らない時には、お客様が知りたいと思っていることを伝えきれていない可能性があります。

「こちらはとても人気の物件ですよ」と案内した時に、顧客満足度を知りたい人もいれば、実際に利用した人のクチコミを具体的に知りたいという人もいます。相手のニーズに合わせた情報を出せないと、契約してもらうことは難しいでしょう。

5.気になる点にフォーカスしてしまう

どんな物件でも、お客様の希望を100%叶えることは難しいです。だからといって、クロージングの時に気に入らない点ばかりを聞いてしまうと、お客様はそこばかり気になってしまいます。

また、気になる点があってもそれは仕方ないとお客様に妥協させようとする姿勢では、成約には至らないでしょう。

6.焦って意思決定を迫ってしまう

住むところを決めるというのはお客様にとって大きな決断です。一目惚れするような物件でも見つからない限り、「本当にここでいいのか?」となかなか決めきれないのが普通です。

小さな疑問、不安が残っている状態で「人気の物件なので早く決めないと」というように意思決定をせかしてしまうと、「売り込まれている」と思われて信頼関係を築くことができません。それではなかなか契約には至らないのです。

不動産の成約率を上げる6つのコツ

成約率が低くなる原因を踏まえ、どうすれば1件でも多くの契約を勝ち取れるか、その方法を考えていきましょう。

1.見込み客をフェーズ分けする

なんとなく物件探しにきた人か、すぐにでも決める必要がある人か、温度差によって営業トークは変わってくるはずです。ですから、問い合わせをしてきてくれたお客様が今どの段階にいるのか、フェーズを分ける必要があります。

フェーズを細かく分けることによって、温度の高い人に向けてより的確に営業活動ができるので、成約率を高めることができるでしょう。営業支援ツールなどを使い、見込み客の情報を一元管理し、チーム内で情報共有することが大切です。

2.しっかりヒアリングしてお客様の希望を引き出す

クロージングは自分が話すのではなく、相手に話してもらう時間です。その中で、どのくらいお客様の本音を引き出せるか、それが成約率アップの秘訣です。

お客様が「こんな物件がいい」と言っている表面上の希望だけにとどまらず、今住んでいる物件の不満を聞き、こんな物件だったらいいのにと思っている潜在的なニーズを引き出すのが本当のクロージングです。

「今のお住まいで最も不満に感じる点はどんなところですか?」「こんな物件だったらより良いと思いませんか?」と、売り込むのではなく真摯に話を聞き、隠れたニーズを引き出しましょう。こんな時こそ傾聴力がモノをいいます。

3.お客様のニーズにあった魅力的な提案をする

希望の条件を全て叶える物件を提案することは難しいとしても、できるだけお客様の希望近い物件を案内するのが営業マンの仕事です。お客様の現状に対する不満を解消できるような、本当のニーズに合致する物件を提案できれば、成約率を高めることができます。

提案する時に注意することは、お客様が実際のその物件に住んだ時のイメージをありありと思い浮かべることができるかという点です。この物件なら今ある不満を解決し、より良い暮らしができる。そんなイメージを持ってもらえるような提案をすればお客様の信頼を勝ち取ることができるでしょう。

4.物件情報をしっかり頭に入れて自分の言葉で語る

物件や周辺環境の説明をする時に、資料をそのまま棒読みするような説明ではお客様の心に響きません。本当にその物件に惚れ込み、どうしてもこの物件をおすすめしたいという熱い気持ちが必要です。

資料など見なくても語れるくらい、内容を自分の中に落とし込んでください。そして、ありきたりな言葉ではなく、自分の言葉で物件の魅力を語りましょう。

5.お客様の不安や疑問を解消する

一通り説明ができたところで、お客様の不安や疑問が解消できているかどうかを確認します。この段階で解決できていない課題があるなら、さらにヒアリングし、気になる点を洗い出します。

売り込むのではなく、お客様の不安を一つずつ潰していくことを心がけます。不安や疑問を減らしていくことが契約への近道です。

6.お客様自身で納得してもらう

最後はその物件の「良かった点」を明確にします。どこが気に入ったのか、お客様自身の言葉で語ってもらうことで、「なんとなく気に入っていた物件」から「ここに住みたい!と思う物件」に変わっていくのです。

お客様自身が納得してくれれば、成約率は格段にアップします。

まとめ:不動産の成約率を上げるには営業の順序と熱意が大事

不動産の成約率が上がらないとお悩みの方は、まだ原因を特定できていないのだと思います。温度の低いお客様に熱心に営業活動をしてしまったり、焦って営業してしまい、肝心なお客様の知りたいことを伝えきれていない場合があります。それではなかなか成約率は上がりません。

契約に至るには、お客様をフェーズ分けし、より温度の高い人に向けて的確な営業活動を行います。そしてお客様の本当のニーズを引き出し、物件の魅力を熱意を持って語ることができれば、自然と成約率は上がっていくでしょう。